Graff's Diary

ただ「話したい」という原点に戻る

昔の友人たちと会う(2)

1月にK、Sと飲んだときに、Kに
「映画、見てるか?」
と尋ねられた。
「いや、見てない」
と私。
彼らとは映画研究会の仲間。大学生のときは、卒業して映画を見なくなったという先輩を見て悲しくなり「こういう先輩にはなるまい」と思っていた自分。Kも多分そう思っていたろう。
自分が「なるまい」と思っていた大人になっていることは重々承知していたが、それを同級生から指摘されて、ドキッとした。
しかし、Kはそれを非難するでもなく、自分が最近見た映画の感想を語りだした。私は「映画は見てないけど、本は読んでる」と読んだ本のことを語りだすと、Kもそれに乗ってくる。だから落ち込むことも、卑屈になることもなく、自然と今の自分を受け入れられた。
あれ以降、HDDに録り貯めていたBSプレミアムの映画を見まくっている。
昔見た映画、最近の映画、邦画、洋画…。「誰が監督で」とか、「どんな話題作で」とかの情報がない、こだわりがない今の私には、BSプレミアムはちょうどいい。
何となく億劫に思っていた「映画を見る」という行為。結構いけるぞ。Kの一言が背中を押してくれた。
3月に入ってSと再び飲む機会があって、そのときに彼女が話していたのだが、3人で飲んだとき私とKが映画を熱く語りあっているのを見て、とても素敵でうらやましく思えたのだそうだ。娘さんにも語って聞かせたらしい。
Sは、そのときに私が「おすすめ!」って強調した小説『私を離さないで』を大阪から帰る途中で早速買ったらしい。まだ読みかけらしいが。私にはそれがうれしかった。